Confluent(CFLT)の、2023年4Q決算発表カンファレンスコール(07-Feb-2024)のトランスクリプトを要約します
目次
2023年度の振り返り
- 総収益は前年比33%増の7億7700万ドル。
- Confluent Cloud収益は65%増の3億4880万ドル。
- 非GAAPベースの営業利益率は23ポイント改善し、マイナス7.4%。
- 第4四半期には非GAAPベースで初の営業利益率プラス(5.3%)を達成。
- 設立9年で7500万ドル以上の収益と利益率プラスを達成したことは大きな成果。
第4四半期の結果
収益
- 総収益: 2億1320万ドル(前年比26%増)。
- サブスクリプション収益: 2億280万ドル(31%増)。
- Confluent Platform収益: 1億280万ドル(18%増)。
- Confluent Cloud収益: 1億ドル(46%増)。
地域別収益
- 米国: 1億2760万ドル(27%増)。
- 米国外: 8550万ドル(25%増)。
利益率
- 総粗利益率: 77.5%(450ベーシスポイント改善)。
- サブスクリプション粗利益率: 81.1%(240ベーシスポイント改善)。
収益性とキャッシュフロー
- 営業利益率: 5.3%(27ポイント改善)。
- フリーキャッシュフロー利益率: 3.2%(21ポイント改善)。
- 現金および現金等価物: 19億ドル。
顧客関連指標
- 総顧客数: 約4960社(9%増)。
- 年間収益10万ドル以上の顧客: 1,229社(21%増)。
- 年間収益500万ドル以上の顧客: 19社(前年の9社から増加)。
- 顧客の信頼が当社のプラットフォームに集まり、技術スタックの中枢として標準化が進む。
2024年の展望
市場機会(TAM)
- 市場規模600億ドル超。
- データストリーミングの普及やクラウド移行、生成AIの普及が追い風。
技術革新
- 単一の製品提供からデータストリーミングプラットフォーム(DSP)企業に進化。
- クラウドネイティブで包括的な「ストリーム」「コネクト」「プロセス」「ガバナンス」を提供。
- 2024年にはFlink GAを含む革新的な製品リリースを予定。
チームの能力
- 過去10四半期で営業利益率を46ポイント以上改善。
- 消費ベースモデルへの完全移行を通じてさらなる市場機会を目指す。
2024年の主要目標
- 非GAAPベースの営業利益率とフリーキャッシュフロー利益率を通年で損益分岐点に到達。
- 総収益は前年比22%増、9億5000万ドルを目標。
- サブスクリプション収益指標への移行を進め、透明性を向上。
収益ガイダンス
第1四半期
- 総収益: 2億1100万ドル~2億1200万ドル(前年比21~22%増)。
- サブスクリプション収益: 1億9900万ドル~2億ドル(24~25%増)。
- 営業利益率: 約マイナス4%(19ポイント改善)。
- 非GAAPベース1株当たり純利益: 0.00~0.02ドル。
通年
- 総収益: 約9億5000万ドル(22%増)。
- 営業利益率: 損益分岐点到達(7ポイント改善)。
- 非GAAPベース1株当たり純利益: 0.17ドル。
モデリングポイント
- 第1四半期のConfluent Cloud収益は約1億500万ドル(前年比43%増)。
- 通年フリーキャッシュフロー利益率は損益分岐点到達(16ポイント改善)。
- 希薄化率は2023年の3.5%から2024年は3%に低下予定。
まとめ
- 2023年を堅調な第4四半期で締めくくり、収益成長と利益率改善を実現。
- 2024年には、通年で初の非GAAPベース営業利益率とフリーキャッシュフロー利益率プラスを達成することを目指す。
- 成長戦略と市場機会に基づいて持続的な効率的成長を追求する方針。
質疑応答セッション
1. Wells Fargo – Michael Turrin
- 質問: AnthropicやPinecone、OpenAIとのパートナーシップの背景や、Confluentを選んだ理由について。
- 回答:
- 生成AIアプリケーションで企業の専有データと大規模言語モデルを統合する必要性が高まっている。
- PineconeのようなベクターデータベースやOpenAIのような規模の企業と協力することで、リアルタイムアーキテクチャを支援。
- OpenAIなどの技術企業と連携し、インフラの一部として選ばれていることを誇りに思う。
2. Morgan Stanley – Sanjit Singh
- 質問: IT予算の制約下でデジタルネイティブ分野の活動が増加している兆しや正常化の進展について。
- 回答:
- 2023年はIT予算の厳しい年だったが、デジタルネイティブ分野では最適化の進行後にプロジェクトが動き始めている。
- 兆候はまだ初期段階だが、企業活動の正常化が見られる。
3. Deutsche Bank – Brad Zelnick
- 質問: 生成AI関連のユースケースとそれが需要にどう結びつくか。
- 回答:
- 主なユースケースは企業データを活用した言語モデルの応用。特に従業員の生産性向上や顧客向けアプリケーションが多い。
- 現在は実験段階が多いが、本番環境での利用が増えると予想される。
4. RBC – Matthew Hedberg
- 質問: データストリーミングのTAM(総アドレス可能市場)について。
- 回答:
- データストリーミングのユースケースが増加し、企業の運用スタックと同期する必要性が高まっている。
- ワークロードの約3分の1がストリーム処理領域に関連していると予測。
5. Needham – Mike Cikos
- 質問: 第4四半期の成果が営業報酬体系変更による急ぎの契約締結に起因する可能性について。
- 回答:
- Confluent Cloudでは消費ベースで収益が発生するため、第4四半期の成果は急ぎの契約ではなく、実際の消費の増加によるもの。
6. William Blair – Jason Ader
- 質問: 新しいCRO(最高収益責任者)による営業組織の変更について。
- 回答:
- セールスエンジニアの役割変更や、Salesforceで追跡する項目の追加など、調整を実施。
- 大規模な改革というより、必要な調整に留まっている。
7. Mizuho – Gregg Moskowitz
- 質問: サブスクリプションの粗利益率が高い結果の要因と今後の予測について。
- 回答:
- クラウドの効率的な提供やエンジニアリングチームの改善が要因。
- マルチテナント化の進展がさらに粗利益率をサポートする見込み。
8. TD Cowen – Derrick Wood
- 質問: オープンソースKafkaからConfluent Cloudへのコンバージョンを促進する施策について。
- 回答:
- 消費型モデルへの移行により、顧客のプロダクト体験を重視。
- 移行のコストと時間を削減することに注力し、採用の障壁を下げる。